自然主義と写実主義の違いとは

自然主義と写実主義の違い

自然主義と写実主義の違い

- 概要 -

写実主義とは、現実をあるがままに再現しようとする文学上の主張のことを指し、自然主義とは、19世紀後半のフランスでゾラを中心に、ヨーロッパ各国に広がった文芸主潮のこと指す。
写実主義が立場のことを指すのに対して、自然主義はその社会当時の思想の傾向を指す。

- 詳しい解説 -

写実主義は別名、現実主義と呼ばれ、現実を空想によらずありのままに捉えようとする美術上、文学上の主張のことを指します。絵画ではクールベ、文学ではフロベールなどが代表的がある。19世紀後半のフランスでゾラを中心としておこり、ヨーロッパ各国に広がった自然科学の客観性と厳密性を取り入れることを主張する文芸主潮のこと。

そして、それを継承しより進化させたものを自然主義と呼ぶ。具体的には、写実主義が自然科学の客観性を主張していたのに対して、ありのままの現実再現という写実主義に加えて、総合的真実を描くために、現実をつくりあげている科学的根拠としての原因を追求しようとした。

総括すると、写実主義はリアルな文学主張であり、自然主義は写実主義により科学万能説を説き、文学の中でも科学的作品を作ろうとした主張である。